私はコレで、会社をやめました

■おととい、昨日はひどく錯乱していたようで、今週の土曜日(23)を先週だと思いこんで「23日は友達と会うはずだったのに、すっかり忘れてたし、連絡こなかったなあ。そういえば、歯医者もあるはずだったジャン!すっぽかしてしまったよ」とあわてたり、かと思えば、来週行くはずのコンサートを今週だと思いこんでうきうきしていたり。


おとといの火曜日は、水曜日だと思いこんで早とちりしたし、昨日は朝起きたとき月曜日だと信じていた。人間、余裕がなくなると、頭の方に異常がきます。メモリが足りない感じ。


■私がやめた理由は、なんなのだろう?いじめとも言い難い。Aさん本人は、教育上必要なことだけを言っているつもりだったろうし、私だけを集中攻撃しているつもりもなかっただろう。かといって、私とAさんの相性が合わなかった、というのだけが原因だとも思えない。結局のところ、 チームが村社会だったということにつきると思う。チームにはメンバーが6人しかいなかった。仕事の性質上、別チームとの交流も極端に少なかった。私がはいったとき、Aさん以外の平社員は、すでにAさんの言いなりになっていた。


●Aさんは20代後半、配属後4年目。チーム長についで古株で、実地の仕事についは彼女が一番よく知っていた。平社員なのに、実質、上長のようになっていて、たとえば、週報というのがある。普通は、何を何時間した、というのを書くものなのだが、うちのチームの場合、それとは別に、反省文を書かされる。彼女以外の平社員4人の中で毎週当番が決まっていて、当番は、その週の4人文の週報を集めて、Aさんに提出する。
Aさんは、それにいちいちとコメントを書いて、全員に返信し、また、リーダーにも提出する。


反省文は、ことこまかに添削されていて、「反省文がいつもと同じ。いい加減、改善しましょうよ」。完璧に書いても「そうです。そうしてもらわないと困ります」とかかれ、「〜を注意しようと思う」と書くと、「〜にばかり気をとられても困る」。何か提案しようものなら「そんなの初めからできていてあたりまえ。まさかできていないのですか?」。結局何も言われない「反省文」は、「私は全然暇ですから、なにか仕事があったら、どんどん私にいいつけてくださいね」というものだけ。


彼女は、チーム長にも、社歴と年齢が自分より上の人にも、つねにタメ口だった。私より少し上だったが、私のことなど名前は呼びつけ、なにか仕事を頼むときは「〜して」ではなく、「〜しなさい」だった。お客にさえ「〜してもらわないと、困ります!」と怒り出す始末。


Eさんは、私が入る前のAさんの標的で、私の入る数ヶ月前にチームに配属になり、私が入ってすぐ部署移動になった。チームにいたときは、Aさんに、「あんたのこと大嫌いだから。ほんとおまえ使えない」と直接言われていた。また、女子トイレで、AさんとEさんが鉢合わせになったとき(私はたまたま個室に入っていた)


Aさん「あんたのこんどの配属先の上司に、私、怒られるかと思ってひやひやしてたよ」
Eさん「なんでですか?」
Aさん「あんたみたいに、使えないのを送り込んじゃってさ」
という会話もしていた。


同じチームのBさん、Dさんからは、入って早々「ここでは、Aさんに好かれるかどうかが問題だから」と言われた。


●このチームの仕事は、取引先が作ったシステムを使った特殊な編集作業だったから、新しくきた人は、Aさんにきかなければ何もできない。しかし、Aさんはいつでも不機嫌で、聞いてもよく説明しないし、誰かが失敗をすると、たとえそれがシステムの不具合で起こったのだとしても、必要以上にその人を責め立て、その人が席をたつと、「ほんと、あの人使えない」と言いふらした。私の記憶では、全員の悪口を言っていた。


また、Aさんはすでにチーム長と仲良しで、チーム長はチーム長で、他の部下と交流がなく、また、性格が単純でもあったから、彼女の言ったことを確かめもせず鵜呑みにしていた。


私もチームに配属されたとき、彼女以外の人はみんなできない人で、彼女だけががんばっているのかと思っていた。しかし、働いているうちに、他の人も普通に仕事をこなせる人だということがわかってきたし、表だっては見えなかったけれど、彼女の仕事にも結構ミスがあることに気づいた。


たとえば彼女はよく、「。」を「。。」にしてしまう。メールや社内文書くらいなら許されるけれど、客先に出す原稿で。指摘すると「私、よくこれやるのよね」といって笑っていた。でも、もしそれが他の人のミスだったらどうだろう?彼女はきっと「あなたこの間違い多すぎるわよ。自分でも気づいてるでしょ?普通、改善しようとしない?どうして、何度も間違えるの」と大声で追求し、キーボードの使い方や手のフォームポジションまで指導しただろう。そのような場面を何度か見たら、誰でも「あの人、また怒られてる。よっぽどできないんだな」と思ってしまうと思う。



でも、Aさんは、自分が間違いを指摘されるのは、相当に腹が立つらしかった。Dさんがなにかいったとき、Aさんが「ええ!じゃああなに!?私が悪いっていうわけ!?私のせいにしているじゃん!!」と叫んでいた。



●そして、彼女のルールがチームのルールになっていた。私がこのチームに配属されて始めて使うことになったソフトウェアをいじっていたら、突然「なんて使い方しているの!」と怒られた。このソフトウェアのAウィンドウは横いっぱいにひきのばして使う、Bウィンドウは画面の半分にするように。確かにそれは、効率がよい使い方だったかもしれない。それで仕事が数秒短縮できていたかもしれないが・・・。また、ゴミを捨てるときの、ゴミ袋の口をしばるタイミングまで指導された。本当に忙しい時期なら、確かにそのタイミングでしばれば効率がよかっただろう。しかし、うちの会社には、あまり仕事がない。特にその時期は、みんな定時にさっさと帰っていて、仕事時間中も、ネットを見たりしていた。



それなのにBさんが、効率のよい使い方、たとえばショートカットキーを私に教えると、Aさんは「そんなことしなくていい!」と怒った。



何で怒られたり、陰口をたたかれるかわからないので、私は仕事以外のことでは、彼女に近づかなかった。萎縮して他の人とも、あまりしゃべれなくなっていた。



私には、Cさんがいろいろと教えてくれることになっていて、私はなにかあると、必ずCさんに質問していた。Aさんはそれも気に入らなかったらしい。Aさんは突然、「今度から、何かあったら、Cさんでなくて私に言うように。報告書も私に回して。Cさんには渡しても渡さなくても、どっちでもいい」と、自らが「教育係」をかって出た。それから、地獄の日々が始まった。



●その直前に、部署が「地下」に引っ越しになった。引っ越し作業をしているときも、彼女は私をあごでつかった。ガムテープを持ってこい、ペンをもらってこい・・・私はここぞとばかりに仕事をしたし、てきぱきと動いた。すると、私が何かを手渡したとき、彼女がCさんに向かって「『意外と』使えるかもね」と言った。



私の新しい席だけ、チームから引き離されていた。裏の裏だった。チームで話されている言葉は全くきこえなかった。私がチームで一番若かったから、電話番になったが、電話も支給されず、電話が鳴ると、隣の席の電話をとらせてもらっていた。席を立たないと、電話がとれなかった。



引っ越しが終わると、まずは、「仕事があるかどうか、なんでききにこないの?ききにくること」と言われた。もともと私だって、仕事がないかどうか聞いてまわっていたのだ。けれど、いつきいても仕事はなかったし、Cさんには、「私だって、一日でできることを一週間かけてやっているくらいで、本当に暇なのだ。仕事はない」と言われ、Bさんが仕事をしているのを手伝おうとしたら、「暇だから自分でやりたい」といわれた。Aさんは、話しかけられるのをうざったそうにしていた。



それでも、「やはり下の者から仕事をもらいにいくべきなのだろう。そこまで言うなら、もしかしたら、突発的に忙しくなるかもしれない」と思い、毎日2回、仕事がないか聞きに行った。あまり仕事はなかった。Dさんなどは、いつも、パソコン画面が、ネットだった。Aさんは、頼む仕事がないときは、画面から目を離さず、無言で首を横に振るだけだった。「〜のチェックをしましょうか」と提案しても、別に不要と言われるばかりだった。聞きに行くのが苦痛になった。たまに仕事があると「今日はご用聞きしなくていいんだ!」とほっとした。



すると今度は小部屋に呼び出され、「なんで明らかに仕事がないのに、聞きにまわっているわけ?おかしいと思わないの?そういうときは、自分で仕事を作るものでしょ」と言われた。私は、仕事がないときには、ソフトウェアの勉強をしたり、ポットのお湯をかえたり、コピー用紙を補充したり、できる雑用はすべてしていたと思う。しかし、彼女の言う「仕事を作る」とは、そういうことではなかったらしい。たとえば、誰かが原稿を作ったら、黙ってチェックを先にしておいてあげる、ということを指すらしい。黙ってチェック?先に一言言っておかなければ、二重に無駄なチェックをすることになると思うのだけど・・・。



仕方がないので、私はA先輩の原稿を黙ってチェックして、直すべきところを持って行ったら、「間違いを指摘された」ととったのか、すこぶる機嫌が悪い。「なによこれ!」と怒っていた。



「仕事を作る」というのは、任務が与えられたとき、その任務を完成させるのに必要な仕事を自分で考えだして遂行することだと思う。たとえば、「会議を開く」ことになったら、部屋を取って、資料を用意して、部屋が決まった時点で参加者に連絡して、そうだ、お茶も出さないといけないな、必要と言うほどではないけれど、こちらでこの文献も用意していった方が、親切だろう、と、もれなく考え出せることが、「仕事が作れる」ということだと思う。これがたとえばファミレスの店員だったら、言われなくても皿を片づけたり、なにかこぼれていたら、ふいてあげたり、ということになるだろうし。



任務も責任もない状況で仕事をするとなると、人の仕事をもらうか雑用するしかないわけで、人の仕事をする場合には、相手に一言断っておかなければいけないと思う。Aさんの言い分は、発言だけとったら正しいかもしれないが、適用すべき場所が間違っていた。しかし私はそのころ、判断力を失っていて、全部自分が悪いのかもしれないと思ってしまったし、Aさんに文句を言われたくない一心で彼女の言いつけを守り、Aさんの要求はそれで余計にエスカレートしていった。



●また、小部屋に呼び出された。今度私が担当することになった仕事の話だった。Bさんも同席していた。Aさんは「ちゃんとやってくれないと困るんだから。しっかりやりなさい」と、初めから、私が怠けるつもりでいると信じている口ぶりで言った。



それが一通り終わった後、説教が始まった。



「電話を取るのが遅いと感じるときがある」



「あなたを今まで見てきて、あなたが仕事できないのはコミュニケーションがなっていないからだと思った」



「うちのチームは、他のチームより優しいはずだ(Bさん、ひそかに首を横にふっている)。どうして私と雑談しないの?お昼をいっしょに食べないの?誘えばいいじゃない。あと、夕飯も『一緒にお酒飲みましょうよ』とか、どうしていえないの?」



「Cさんは、たとえ私の機嫌が悪くても、お菓子をさし出してくれたりする。そうすると私だって、食べている間は仕事ができないから、いやでもCさんとしゃべることになるでしょ、そこでコミュニケーションがなりたつわけなのよ。そういう努力をしなさい」



●そこでその日、私は彼女とCさんの席の近くにいすをもっていって、昼ごはんを食べざるをえなくなった。BさんやDさんは自分の席で食べていた。コミュニケーションといっても、Aさんとさえしゃべればよいらしかった。



次の日は、外に食べに行った。Cさんや、初対面のXさんもやってきていた。Xさんは、5階の部署だという。5階の左端の席に同期がいたなと思ったので、「5階のどのあたりの席ですか?」と聞いていたら、Aさんが突然烈火のごとく怒り出したした。
「そういうときは、私の同期が5階にいるんですよー、といって、それで話を弾ませるものでしょ!」



CさんもXさんも、あまりのことに口をつぐんでしまい、そのあとの食事は、全然味がしなかった。



これがコミュニケーションなんだろうか。そのあとも、私はAさんの席に自分のいすを持って行って食べた。けれどもAさんは、昼休みになると、私の後ろをすりぬけてだっと走って出て行ってしまったりする。何事かと思っていると、後ろからCさんがやはり走ってついてきて「Aさんと食べに行くことになったんだけど、いく?」と誘ってくれる。私はAさんを誘わなければいけないけれど、Aさんから誘ってくれることはないのだ。



で、会話はいつも、人の悪口か、ナルシシズム宣言。



「総務(華やかなOLがそろっている)の子は、すごく感じがよいけれど、トイレに行くと、豹変する。女は怖いね」



モー娘。って気持ち悪い。全然かわいくない」



「○○ちゃんって、やせすぎで気持ち悪い」(Aさんは肥満)



「私って、こう考えると、すごく顔が広いよね」



「この前は、『性格はいいけどね』っていわれちゃったの。「は」って何!?て感じだよ
ね」



「○○さんって怒りっぽいから、つきあっていくのがすごく大変。彼の奥さんは、やっぱり私みたいな、さばさばした性格らしいよ」



●いっしょに昼ご飯を食べているうちに、あちらの態度が急に軟化した。理由は「私がおまえのことを昔の先輩たちに言ったのね。そうしたら、『あなたは特別なんだから、他の人に同じことを要求するのはかわいそうだ』っていわれたの。私は初めから仕事ができたけど、それは私が特別だったからなんだよね。だからやさしくすることにした」ということだった。



実は、彼女のお気に入りのCさんが、もうすぐ会社をやめてしまう。もともと、BさんもDさんも彼女のことをよくは思っていないはずで、もしそこに私まで加わったら、Aさんは孤立してしまう。そういうことを考えたのかどうかはわからないが、Aさんは気持ち悪いほど私に親切になった。台風の日に「大丈夫?安全が一番大切なんだからタクシーで帰りなさいな」とメールがきたり、お昼も親しげに話すようになった。それが、明らかに、作った優しさだった。



喜ぶべきだったのに、それにあわせて、心にもないお礼を言ったり、話を合わせたり、彼女の親切を信じたふりをするのが、かえって苦痛になった。どうしても、お昼をいっしょに食べられなくなった。何か理由をつけては、同期のところに食べに言った。そのころになって、席がチームの近くに移動になったが、私は彼女に近づくこともできなくなった。



Aさんがそれをよく思わないのは当たり前だ。また、以前の状態に戻った。嫌われて、イイと思った。突然私の中でなにかが切れた。



●それまで、私は、彼女の理不尽なところに「怒っていた」つもりだった。私はそういうところは、よく愚痴っていたし、理不尽なところは、人にいえばすぐ「それは変だね」と承認してもらえる。わかりやすかった。



でも、本当は、怒っていたのではなかった。すれちがったときにあいさつをしても返してくれない、目の前で他の人に悪口を言われる、嫌いだという態度を露骨にされる、そんなことが、悲しかったのだ。でも、態度というものは、人に説明してわかってもらえるものではないと思ったし、客観的にみて証明できないものは、感じとるべきではないと無意識のうちに心に規制をかけていた。心の中の「悲しい」と思う部分は、麻痺していて、ストレスがたまっていたのに、ストレスをあまり感じていなかった。



そのうち、なにもかも無気力になった。なにもしたくなくなってしまった。旦那に「支離滅裂な言動をするようになった」と言われた。でも自覚症状はなかった。



「柴又事件」で、はじめて自分でおかしいと気づいた。もらってもいないメールをもらったと思いこんだり、書いたと思ったメールは存在しなかったり、朝書いたメールの返事をもらっても、なんのことだかわからない。送信履歴を見たら、ちゃんと送っているのに、どうしても、書いたことが思い出せない。7時半に「7時半に新橋で待ち合わせね!」と、言ってしまう。



そんな中、Aさんが以前の状態に戻ると、緊張の糸が切れて、今まで我慢していた「悲しい」という気持ちが、せきをきってあふれでてきた。やっぱり、つらい。人がどう思おうと、私はつらい。やっとそういえるようになった。



で、突然の退職宣言。



●実は、今度やめるCさんも、Aさんが原因で自律神経をおかしくしてやめるのだし(本人談)、その前に退職したFさんも、「誰がどうみても、Aさんの集中攻撃で会社にいられなくなった」らしい(Cさん談)。 けれどもAさんに対する不満を表明してやめるのは私が初めてで、上司もチーム長も、村の中で何が起きているかを知らない。たぶん今は私よりもAさんの言い分を信じていると思う。「仕事を教えてやっていただけなのに、ちょっと怒られただけで、耐えられなくなるなんて」



私の後には、中途採用で人を入れるらしい。おそらく彼女よりも経験を積んだ、年上の、他の会社での常識を知った人がくるわけだ。その人が彼女に耐えられるとは思えない。彼(女)がやめたとき、さすがにおかしいということに、気づいてもらえるだろうか。



3年で3人やめたチーム・・・早くきづけよ・・・。