デカプリン

デカメロン」で一番ひどかった話(第9日第10話)を一つ。


ある貧しい夫婦とやはり貧しい司祭が親しく交際していた。
ある日司祭が夫婦の家に泊まったが、夫婦は彼の寝床のために馬小屋しか用意できなかった。
司祭は「ご心配くださいますな。私は雌馬を美しい娘の姿に変えて、好きなときに元に戻せる。それで、この雌馬から離れたくないのですよ」。


それを真に受けた妻は、夫に「私も昼間は馬にしておいてもらえば今の倍稼げるじゃないか。そうしてくれるよう頼もう」と頼み、夫も賛成する。


そこで司祭は「何を聞いても、何を見ても、一言をも口をきかない」と約束させて、彼女を裸にして四つん這いにさせると、「これが、雌馬の美しい胸になりますように」などといいながら彼女の体中をなでまわし、最後に「人間の種を植え付けるのに使っていた杭をつかむや、これに合わせて作られていた畝のなかへ、すばやく差しこんで、唱えました。
『これが雌馬の美しい尻尾になりますように』」。



夫はつい「尻尾はいらない、尻尾だけはいらないよ!」。
司祭「おまえさんが口をきいたので、何もかも台無しになってしまった」
旦那「あなたの尻尾の入れ方は下すぎましたよ」
司祭「おまえさんだって、初めてのときには、わたしと同じように、うまく入れられなかったはずだ」