名器

■ここしばらくの日記を読み返して思ったが、私、普通に、やばい人だな……一歩間違えば、犯罪だよ……。


■しごくまじめな十代の帰国子女が「俺は器が小さい」といって悩んでいたので「どうしてそう思うのか」と聞いたら「このまえ、松屋で……」と話しだし、しまいまで聞かなくても「小さい話」だということはわかった。


要するに、松屋で豚ショウガ焼き定食を頼んだら15分も待っても来ない。それなのに、5分前にはいった隣の客に、豚ショウガ焼き定食が運ばれ、さらに5分してから自分の豚ショウガ焼き定食が出てきた。店員に注意しようと思ったが隣の客に悪いので、隣の客が食べ終わるまで待ち、やっと隣の客がいなくなったので注意しようとしたら、注意しようと思っていた店員さんが「お先に失礼しまーす」とあがってしまった。こんな小さいことで長時間うじうじしていた自分が情けない、ということだった。


器が小さいというか、気を回しすぎなんですね。帰国子女で英語ペラペラ、TOEIC高得点、翻訳のアルバイトまでしているのに、普通の人もたいして勉強しない大学の必修英語のテストのためにサークルをさぼって一生懸命勉強していたらしい。


また、A君が彼の家に行ったら、イメージトレーニングCDのセットがあった。「こんなのに頼っているのか!」と受けたA君が、帰国子女君がいない間にそのうちの1枚をかけてみたところ、「あなたは一本の棒です。さあ、その棒がだんだん固くなってくる……」と流れてきて、爆笑しているところに帰国子女君が帰ってきたらしい。なんというか、不遇でございます。